「喪中はがきって、どんな文面にしたらいいの?」
「送る相手に失礼があるとダメだから難しいな…」
いざ喪中はがきを書こうと思っても、書き出しをどうすればいいのか、失礼にあたらないような文面にする必要があるとか、気になる点ばかりで、ほんと悩んでしまいますね。
でも、喪中はがきの文面は、ほぼパターン化しています。
ですから、例文を参考にしながら作成できて、一から考えなくてもOK。句読点など少し気を付けるだけで、難しく考えなくても大丈夫なんです。
今回は、喪中はがきの文面パターンや例文を紹介していきますね。
喪中はがきの例文、文面パターンはこれ
喪中はがきとは、年賀状が書けない理由を知らせるものを言い、「年賀状の欠礼ハガキ」「年賀欠礼状」などとも呼ばれています。
喪中はがきの基本的なマナーは次の3つです。
- 句読点は入れない
- 行頭の一時下げをしない
- 数字は漢数字
また文面は縦書きが一般的です。横書きではカジュアルな印象を与えてしまいます。
弔事は手紙の中でも儀礼を重んじるものなので、横書きは避けたほうがいいですね。
喪中はがきの文面は、次のようにパターン化しています。
- あいさつ文
- 喪中であることの説明
- 結びのあいさつ
- 日付
- 住所
画像で一般的な例文を見ていきましょう。
1.あいさつ文
年賀状が書けない理由を記載します。
拝啓、敬具などの頭語と結語や、時候の挨拶(四季それぞれの気候や天候を絡めて挨拶を述べること)も不要です。
また「年賀」は、新年の祝いの言葉を述べるために、親戚・知人・近隣を訪問することなので、ここでは「年始・年頭・新年」などを使うようにします。
喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただききます
服喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
勝手ではございますが、新年のご挨拶は差し控えさせていただきます
2.喪中であることの説明
「いつ」「誰が(その方との続柄も一緒に)」「何歳で」を記載します。
日付
「平成○○年○月」や「本年○月」と月までを記載します。
続柄
父・母、祖父・祖母、曽祖父・曾祖母、兄・弟・姉・妹、伯父・伯母、叔父・叔母など
義父や義母の場合
夫の父は「父」、夫の母は「母」
妻の父は「岳父(がくふ)」
妻の母は「岳母(がくぼ)又は丈母(じょうぼ)」
年齢
数え年(満年齢に1歳を足す)
享年を使う時も数え年
※数え年は、生まれた時を1歳、それ以降元旦を迎えるたびに1歳ずつ足していきます。
※享年は、仏教用語で「天から授けられた寿命を全うした」という意味があります。
本年○○月に父 ○○が○歳にて永眠致しました
父○○が本年○○月に○歳にて永眠いたしました
本年○○月に祖父 ○○(享年○才)が永眠致しました
平成○○年○月に 祖母○○が○才にて永眠いたしました
○○月に母 ○○(享年○歳)が永眠いたしました
かねてより病気療養中の岳父○○が○月に○歳にて永眠致しました
3.結びのあいさつ
日頃のお付き合いへの感謝の気持ち、葉書を受け取る相手方の無事を祈る言葉と、引き続きお付き合いを願う言葉を記載します。
本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますと共に 明くる年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます
ここに本年中に賜りましたご厚情に感謝致しますと共に 皆様に良き年が訪れますようお祈り申し上げます
皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます
生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますと共に 明くる年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます
なお向寒の折から皆様にはご自愛のほどお祈りいたします
本年中の御厚情に深く御礼申し上げます
明年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます
4.日付
喪中はがきを出す年月を記載します。
算用数字(1,5,12など)は使わず、漢数字(一、五、一二)にします。
5.住所
喪中はがきの住所は、裏面の文面の最後に差出人の住所と氏名を記載します。
夫婦連名は大丈夫で、子供の名前は連名しないのが一般的です。
子供を通じての場合は、夫婦連名の後に手書きで子供の名前を追加するといいでしょう。
喪中はがきの記載で句読点を入れてもいいの?
元々、日本語には句読点「、」「。」はありませんでした。
筆書きの時代は、一字空けたり、行を変えたりして読みやすくする工夫がされていました。
明治時代になると読み書きの教育が進む中で、文章を読む時にわかりやすいように句読点が使われ出して、一般的になったといわれています。
しかし、儀礼的で改まった文章の時には、句読点を使わない書き方が慣例化していることから、弔事の場合も句読点を使わないことがいいとされています。
確かに、表彰状や年賀状、暑中見舞いなどでも句読点は付けないですね。
ただ、近年では形式的なものより、相手に伝わりやすい文面が好まれる傾向にありますので、あまり気にする必要はないという意見もあります。
弔事は、手紙の中でも儀礼を重んじるものですので、あえて句読点は使わないほうがいいと思います。
喪中はがきの印刷は「薄墨」にすべき?
弔事マナーとして、香典に名前などを書く時に薄墨にするのは、「涙で墨が滲んでしまい薄くなった」「急な出来事で墨をする時間がなく、読める程度の薄い色で書いて来た」という意味があります。
弔事=薄墨のイメージがありますが、法要や喪中はがきは、あらかじめ予定がわかっていて、十分な準備がでいることから、黒色の墨でもマナー違反にはなりません。
しかし宛名面については、薄墨で記載されていると、配達する方や、郵便局で区分けする機械が読み取りにくい場合があります。
郵便マナーを考慮すると、表面は黒色で記載するほうがいいですね。
裏面は薄墨、表面は黒色の墨にするか、喪中はがきの場合は、準備期間が十分確保できることから、両面とも黒色の墨でも問題ないと思います。
喪中はがきに貼る切手は弔事用を使うべき?
切手については、郵便局で弔事用の切手を販売していますので、それを使うのが望ましいです。
しかし、普通の切手でも問題ありませんが、キャラクターなど派手めのものは控えるようにするといいですね。
まとめ
いかがでしたか?
喪中はがきの基本的なマナーは、「句読点は入れない」「行頭の一時下げをしない」「数字は漢数字」です。
文面はパターンがあり、「あいさつ文」「喪中であることの説明」「結びのあいさつ」「日付」「住所」になっていますので、例文を参考にして作成するといいですね。
句読点については、あまり気にならない方もおられる反面、弔事は手紙の中でも儀礼を重んじるものなので、使わないようにするといいですね。
薄墨については、表面の宛名は黒色、裏面は薄墨又は黒色にするといいです。
参考になれば幸いです。