フワフワに焼きあがったパンケーキに、生クリームやメイプルシロップをたっぷりかけて食べると美味しいですよね^^
粉ものは、家にあると重宝するので、常備している方も多いですね。
しかし、粉ものが命に関わることになる原因物質になる可能性があるのをご存知ですか?
これまで食品でアレルギーを発症したことがない方が、パンケーキなどの粉類を使った料理を食べて「パンケーキシンドローム」というアレルギー症状をおこして、最悪の事態になる恐れもあります。
というわけで、この記事では、
- パンケーキシンドロームについて
- パンケーキシンドロームの症状について
- 未開封の粉類でもパンケーキシンドロームは発症するのか?
- 小麦粉以外にもパンケーキシンドロームになることがあるのか?
- パンケーキシンドロームの対処法
についてまとめてみました。
この記事を読めば、正しい粉類の扱い方を知ることができ、パンケーキシンドロームについての対処法が分かるようになりますよ^^
パンケーキシンドロームとは?
パンケーキシンドロームは、開封済みの小麦粉やミックス粉を保管している間に、ダニが侵入してしまい繁殖して、その粉を使った料理を食べた人がアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こしてしまうことをいいます。
主にチリダニ(ヒョウヒダニ)や、コナダニといったダニが、ホットケーキミックスやお好み焼き粉などで繁殖しやすいことから、「パンケーキシンドローム」と名前がついています。
医学的には「経口ダニアレルギー(OMA)」と呼ばれていて、1993年にパンケーキの粉を原因とした例が初めて報告されてから注目されるようになりました。
実は、世界でもパンケーキシンドロームの研究報告が少なく、個人差もあるので、どの程度摂取してしまうと症状が出てしまうのか詳しくが分かっていないといいます。
そのこともあり、パンケーキシンドロームは、ダニアレルギーを持っている方が、知らない間に摂取してしまう可能性が多くなり、元々、小麦粉アレルギーと考えられていた中に、実際にはパンケーキシンドロームだった例が少なからずあるのではと言われています。
また、喘息の人がダニが大量に含まれる食べ物を食べてしまうと、アナフィラキシー症状を起こしやすくなると言われています。
パンケーキシンドロームはどんな症状が出るの?
パンケーキシンドロームの主な症状は、全身のかゆみ、じんましん、紅斑、呼吸困難、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)、腹痛、嘔吐、血圧低下などです。
ひどい場合では、緊急搬送になったり、アナフィラキシーショックを発症して最悪の事態になる恐れもあります。
過去の事例では、ほとんどの場合で、食べた後1時間以内に症状が出ています。
さらに怖いのは、食中毒対策として「食品は中までじっくり火を通して食べましょう」と言われているので、気を使っている人も多いですよね。
しかし、生きたダニのほか、死骸やフンもアレルゲンになりますが、高温で消滅するものではないので、パンケーキシンドロームでは、じっくり火を通していても症状が出てしまうことです。
ダニアレルギーを持っていない人が食べても症状は出ないと言われていますが、やはり気持ちのいいものはないので、念のため食べないようにするほうがいいですね。
小麦粉やミックス粉の保管には十分な注意が必要です。
パンケーキシンドロームは未開封の粉類でも出るの?
粉類を開封した後では、輪ゴムやクリップなどで、きっちり閉めていると思っていても、ダニ目線ではすき間だらけ。
コナダニの体長は、0.2~0.5mmと非常に小さいので、ほんのちょっとしたすき間でも入り込むことが可能です。
ビンやタッパーに移し替えても、フタ部分のほんの少しのすき間から入り込むことができて、数匹侵入しただけで驚くスピードで繁殖して増えていきます。
でも未開封の袋だと、ピッチリ閉まっているから大丈夫と思いがちですが、袋部分のどこかに、ほんの小さな穴が開いているだけで侵入することは可能です。
また、ダニは紙の袋などを食いちぎって、中に侵入することもできるほか、ダニ以外の害虫が袋を食いちぎってしまうこともあるので、ダニにとっては格好の条件が整うんです。
さらに、ダニの体長は、0.2~0.5mmと非常に小さいことや、ダニの色が白っぽいので、粉類に紛れていても分かりにくいです。
かなり繁殖している場合では、粉がうごめいているように見えるので、肉眼でもわかるようになりますが、粉類の中に何かしら動いているのも見るのは、非常に気持ち悪いですよね。
ですから、粉類は未開封であっても、ダニが侵入しやすいと思っているほうがいいですね。
パンケーキシンドロームは小麦粉以外でも出るの?
ダニは小麦粉やミックス粉だけでなく、粉以外にもダニが住み着く食品があります。
かつお節・ポテトチップス・粉チーズ・チョコレート・七味唐辛子・味噌などです。
ダニはタンパク質が大好物で、魚介類や乳製品などが粉になっているものは好んで食べるんだとか。
小麦粉やミックス粉などの、粉類以外の調味料や上記に挙げた食品についても冷蔵庫保存をするようにするといいですね。
パンケーキシンドロームの対処法は?
ダニは、ごくわずかなすき間でも侵入してくるので、粉類の保管場所を工夫することが一番の対処法になります。
ダニが繁殖しやすい条件は、温度が25~30度、湿度が60~80%で、梅雨の時期になると急激に繁殖しやすいです。
このことから、粉類を保管する場合、冷蔵庫の中に入れておくことが対処法になります。
袋のまま冷蔵庫で保管する湿気を吸ってしまうので、必ずガラスやプラスチックの密閉容器に入れるようにして、開封後なるべく早く使い切るようにします。
開封したら一度で使い切るのが理想ですね。
まとめ
小麦粉などの粉物には、主にチリダニ(ヒョウヒダニ)や、コナダニといったダニが繁殖する。
パンケーキシンドロームは、ダニが繁殖した粉類を食べてしまいアレルギー症状をおこしてしまうこと。
主な症状は、全身のかゆみ、じんましん、紅斑、呼吸困難、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)、腹痛、嘔吐、血圧低下など。
ひどい場合、緊急搬送になったり、アナフィラキシーショックを発症して最悪の事態になる恐れもある。
中まで食品に火を通していても、パンケーキシンドロームをおこしてしまう。
未開封の粉類でもダニは侵入する可能性があり、パンケーキシンドロームをおこしてしまうこともある。
小麦粉にダニが繁殖しないようにする保管方法は、ガラスやプラスチックの密閉容器に移し替えて冷蔵庫に保管。
粉類もすべて保管するとなると、冷蔵庫の中がパンパンになってしまいますが、命には代えられないですから、しっかり対処するようにしましょう。